爪障害(まき爪) 
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まき爪(陥入爪)

爪はヒフから分化し角質化したもので、その根(爪母)は爪(爪床)よりもう少し関節近くにあり、指先へすべって伸びて行きます。この爪母を傷つけると爪は変形します。

爪のトラブルで多いのが巻き爪です。爪が彎曲してその縁がヒフに食い込み痛みや炎症をおこすものです。親指に多く、原因は窮屈な靴と不衛生な足にあるようです。

また爪を切るとき両端を深く切り込んだり、痛いために爪の角をほじくったりして悪化させることが多いのです。まき爪の治療法はいくつかありますが、当診療所では、炎症に対する処置以外に、形状記憶ワイヤーを挿入することにより陥入を改善する方法をおこなっています。

その他、爪白癬いわゆる爪水虫も多いものです。爪白癬では爪が白や薄茶色ににごってぶあつくもろくなります。

治療法は塗り薬と内服薬です。テレビや新聞で薬品会社がキャンペーンをしているように内服薬は効果が確実ですが、肝臓に対する副作用が強いために定期的な血液検査が必要で、他剤との相互作用、併用禁忌など医師にも患者さんにも十分な注意が必要です。

正常な爪は透明に近く爪床がピンク色です。一日に0.1mmくらい伸びますが、体調や栄養のよくない状態では横すじが出てきます。爪の周りのヒフの炎症があればカンジダ症、外傷もなく黒いときには黒色腫、白く平らになって中央がくぼんだスプーン状になれば鉄欠乏性貧血を、逆に爪床が紫色になりマルク大きな爪になれば心肺疾患を疑うなど、たかが爪ですがよく見ればいろいろな情報を読み取ることができます。